折りたたむ
でも、1クール全体を通してみて。
何をやりたいのか、さっぱり判らない。
ウィンダミアをどう扱おうとしているのか、ちっとも判らない。
白騎士をどういうキャラにしたいのかも、全然判らない。
第13話以外だと、メッサー戦死が盛り上がりの回なのですが。
けっきょくは、その後の機体乗り継ぎを含めて、ロイ・フォッカー少佐殉職のパロディ(整備員がコックピットを覗き込んだら、シートに血がベッタリってェ絵ヅラね)をやりたかっただけなんだろうな、としか。
あのとき、白騎士がわざとメッサーの心臓を撃ち抜いたというのがね、もう嫌悪感しかないんだわ。そのくせ、阿呆の部下に死神を侮辱されると怒りを露わにする。観てて支離滅裂。
いや、作り手としては「騎士道」とやらを描いてるつもりなんだろうけどサー。どうにも釈然としない。結果、白騎士のことが嫌で嫌で仕方ない。どーせ生きてるんだろうけど(てか生きてたし)、できればそのまま退場してほしいところ。
そも、ウィンダミア王国の仕掛けた戦争が「恨み辛み」成分だけでできているのが、相手に同情できない理由。
恨みの戦争だから、そのやりかたも非人道的の極み(ヴァール化のことだよ、もちろん)。
あのバカなパイロットが顕著だが、国王とて同類。あんなのどう見ても「偉大なるイゼルカント様」にしか見えませんって。つまり手前勝手な思い込みで国民全員を危険にさらすキ印王ってコト。共感なんて、できるかってーの。ボケが!
そんなキ印に従う騎士どもも、同罪なワケで。いくら綺麗事を言ってもね、敵国人とは言え非戦闘員の一般市民をヴァール化させるとか、制圧した星々の市民たちを密かにドラッグ漬け(混ぜるな危険のリンゴと水ね)にするとか、いったいどこに正義とやらがあるのか?
「球状星団解放」なるご大層な旗印を掲げたウィンダミア王国を悪の枢軸国として描くなら、それはそれでアリですし、盛り上がると言うもの(て言うか実際、「解放」という名の征服ですしー)。
なら、少なくとも王宮の連中だけは、もっともっと憎々しくすべきでしょう。で、それに巻き込まれる無知で純朴で愚かな市民たち、という構図(ザビ家支配下のジオン公国が、まさにそれ)。
気取って複雑にしようとするから、つまらなくなる。制作の力量が足りないのなら、いっそ 1970年代のスパロボ・アニメみたくシンプルにしちまっても、いいんじゃね? 王国をさ、どっかの某共産主義邪悪独裁国家みたく描けばいいんですよ。勧善懲悪は時代劇からこっち、日本のお家芸でしょ♪
まー、要するにです。
『Δ』には、どことなく『AGE』と同じ臭いがあるんですよ。
第14話は、よくやったなぁ。粘着質クレーマーが、熊本に関連付けて嬉々として叩いてくるかもしれんのに。
ただし、何かと「レディM」を便利に使いすぎではある。
ウィンダミアの恨みの元となったらしい、あの巨大クレーター。
躊躇なく反応弾を使う新統合軍参謀局と、それとあの謎のアラブ人ひろし(爆)あたりが事件の核心に近いとは思うものの。
1クール使って一切触れていないのが、さすがに引き延ばしすぎではないかなーと。
(第15話で少し触れられているそうなのですが、事情により観逃しました。第16話だけ観てもつながるといいけど……)
第15話のあらすじだけ、Web でササッと確認しました。
穏健派だと思われてたメガネが暴走してイケイケ好戦モードに入ったとか、復活白騎士が通常の*倍クラスの強さで闘ったとか(せっかくだから仮面でも着けたら良かったのに)、ハヤテの父親に何か因縁ありそうだとか、いろいろと放り込んできたようですね。
球状星団の解放(という名の征服)だけならともかく、全銀河に向けて宣戦布告とか、もうギレン総帥になっとりますがな。でも、だからと言ってウィンダミアを「悪」とは描かないんだろうなぁ。
唯一の朗報は、第13話で波に持ってかれた姉ちゃんの生存フラグが立ったことですね。