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覚悟していたとは言えね。
理屈では判っており、頭では覚悟していたとは言えね。
本当に、やらずに済んでほしかった続編です。
いちおう記録代わりに。
以下、時系列に沿って概要を簡単に。
以前の脚部の治療(外科、放射線、化学)が終わってから丸三年が経ってのこと。
・ 2015年5月
右脇腹にパチンコ玉より少し大きめのしこりが唐突に出現。即行で切除。
病理検査の結果は悪性。
・ 同年秋
複数のしこりが発生。
・ 同年末
中でも大きな三箇所の腫瘍を切除。
薬(海外製ジェネリック)の服用を開始。
・ 2016年1月
さらに複数箇所の再発。
薬を開発元のオリジナル品に変更。
・ 同年2月
腫瘍の肥大化が止まったので、別の海外製ジェネリックに変更。
とたんに肥大化が再開したので元に戻す。
・ 同年春
腫瘍がすべて消える。
が、新たな腫瘍が発生。
・ 同年初夏
薬を国内製ジェネリック(海外製よりはお高い)に変更。
とたんに腫瘍が消える。
・ 同年夏頃から
出ると薬の量を増やし、消えると戻すの繰り返しで、それから二年半の間は、それなりに安定した状態で比較的平穏に過ごす。数ヶ月に渡り何も出なかった時期も。
・ 2019年初春
腫瘍が大きくなったまま消えないため、薬を開発元のものに、ふたたび変更。
・ 同年夏
腫瘍は小さくなったものの、血検でクレアチニンなどの数値が赤文字に。
やむなく服用を中止、腎機能の維持に専念することに。
・ 以降の一年弱
自主的に食べることがほとんどなくなり、半ば無理矢理に口に押し込む形での食事が続く。
この間、できものは出たり引っ込んだりを繰り返す。薬を服用していないのに消えるのは、おそらく本人の抵抗力によるものか。
・ 2020年初夏
容体が急変。自力で満足に歩けなくなり、介助が必要に。
半月後には流動食を無理に押し込んですら飲み込まなくなる。
乳腺に(おそらく)転移、さらに血検の結果が危険領域に入っていたため、点滴による体力維持に努めるが、5月23日に永眠。丸五年の闘病生活を終える。
おおまかな流れは、こんな感じです。
飼い主として「分岐点だったかも」と思える箇所は、いくつもあります。
一番大きいのは、昨年の始め、大きくなった腫瘍に対する処置です。獣医さんは外科手術の選択肢もあると言ってくださったのですが、年齢のことを考えると体力面での負荷(特に全身麻酔)が怖かったのと、以前もジェネリックから開発元製品に戻すと効果が出ていたこともあり、変更しての服用継続を選びました。あるいは、この選択が腎臓への負担を増したのでは、という後悔はあります。
それと、これは本人には関係ないことですが、家族同士の喧嘩がストレスになったことは否めないと思います。大声での言い争いが始まると、すぐに逃げてましたから。そのストレスが徐々に抵抗力を削いでいったかも……。
それ以外は、お金の無い家庭ながら、できるだけのことをしたつもりではあります。神様から見れば「全然足りぬ」とダメ出しでしょうが。
犬の十六歳半は人に換算すれば、おそらく八十代後半、九十手前。
腫瘍を無理して完全に取り除くのではなく手術と飲み薬とでバランスを取っていたのは、ギリギリまで自力で歩けたこと、いちおう食べ物が喉を通っていたことを考えれば、大がかりな手術の連続で体力を失い長い寝たきり生活を送るよりは正解で幸福だったと言えるはずです。
実際、闘病五年間のうち四年強は、普通に走ったり吠えたり食べて寝てをしてました。通院時、他の飼い主さんから「どこが悪いの?」と不思議がられるほどでしたよ(笑)。
そう考えて飼い主としての自分を責めないようにしている日々ですね今は。
薬についてですが。
犬の肥満細胞腫に効果的とされるのがグリベックという薬です。本来は人の白血病治療薬ですが、犬の肥満細胞腫にも効果があると近年、使われているそうです。
グリベックは開発元の製品名で、薬品としての名称はイマチニブ。ウチの子は大半を、国産ジェネリックのイマチニブ錠を飲んでいました。価格がね、オリジナルとではダンチでしたから。
これから犬や猫をというかたはペット用健康保険について真剣にお考えになるべきです。長生きすれば必ず問題になるのが病気であり治療費ですからね。
ちなみに保険に入っていなかったウチの場合、薬や手術などなど、この五年間の総額で某悪名高きハイブリッド車が鼻歌交じりで買えます。つか、アバルト 595 もオプション込みで余裕でしょう。(;^_^A
乳腺の腫瘍については、最初の発情期を迎えるよりも前に避妊手術することで、かなりの率で回避できるという話があります。なので、もしも繁殖させるつもりがないのであれば、早めの避妊手術をすべきでしょう。
ウチの子は三、四歳くらいで手術していただいたので、この点でも失敗してますね飼い主。orz
与える食事にも一番最初っから気を遣われたほうがいいと思います。
とにかく調べれば調べるほどに、特に日本製ドッグフードに「なんじゃあこりゃっ!?」ってのが多いことが判って愕然としましたから。こと、ドッグフードに関しては日本は欧米に比べて粗悪品揃いの後進国です残念ながら(まともと思われる日本製品は、ごく少数)。
自分の口にする物を気にするクセに、ワン子の食べ物に無頓着で安さと「国産」の表記だけで選んでいたことを猛省・後悔してますよ。本当に今さらなのですが……。
長年に渡り、いろいろとしてくださった獣医さんとスタッフの皆様には感謝しかありません。イマチニブ錠についても「この薬で儲けを出すつもりはない」と、こちらの経済的事情を汲んでくださいましたし、「何がこの子にとって一番の幸せか」が決まり文句でしたし。
ですが以前同様、妖之佑の個人情報にも関わりますし、ローカルなことでもありますので、あえて動物病院のお名前等々は、ここに出しません。
また薬の価格についても、獣医さんにご迷惑がかからないよう、具体的数字は伏せておきます。
一つだけ、この五年間の闘病生活で役に立ったアイテムをご紹介させていただきます。
年齢のこともあり、階段の上り下りを自力でさせるわけにもいかず(一階で寝かせられない事情があり、二階で寝起きさせてました)。だからと言って、そのままだっこも“親子”共倒れの危険がありますし。
だっこを安全に楽にできる物が何かないかとネットで探したのでした。
で、見つけて買ったのが↓。
erva
だっこ紐というか袋なんですが。販売元さんは「ドッグスリング」と呼称しておられます。
これは本当に便利です。ワンコのだっこに、これ以上の便利グッズは無いと思います。ウチの子は 16kg ですが、頑丈なデニム生地の品を選んだこともあり、何の不安もなく、だっこできました。本人もすぐに慣れて、自分から入りに来るようになりましたし♪
使用体験者として自信を持ってお薦めします(何かあっても責任は取らんけどね)。
ふぅ…………。
どうしても犬ロスが治らなかったら、次はアイボでも買うかなー。
まあ、たぶん買わんけど。しょせん作り物だし。
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庭に出る
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