その27・愛知万博見聞録もどき


 
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 愛・地球博に行ってきました。
 疲れました。
 
 
 いきなり冒頭から疲れましたよ。
 開場30分前には並んでたのですけどね。北ゲートを通れたのは開場後30分もしてから。この間、約一時間、宿題忘れたワケでもないのに立たされっぱなしで、疲れましたよ。メッチャ暑いし。
 例のアレです。手荷物検査と金属探知機。一人ひとりちゃんとやるので、なかなか列が進まない。
 おかげさまで、妖之佑が会場内に入ったときには、すべての人気パビリオンの整理券が配布完了してました(怒)。次回配布は「14:00〜」とかばっか。をいをい。
 
 元来、行列の大嫌いな妖之佑。もともと計画していた、不人気パビリオンを制覇するだけで諦める方針へと転換せざるをえません。
 
 ところが、これがまた、たいへん。
 会場が広いため、あっちゃからこっちゃへ、こっちゃからあっちゃへ、という移動がきっついのですよ。ちゃんと会場内の構成を頭に入れておかないと、えらい目に遭います。
 会場にある「ご自由にお取りください」なパンフレットに地図はありますが……落ち着いた場所でないと頭に入りません。前もって予習しておくべきですね。身に染みましたよ。
 
 
 とにかく。
 企業系パビリオンは無理。
 ということで、諸外国の館を見て回ろうと、近いところから入ることにしました。
 
 マンモスと田中久重による万年時計の復元品は観ておきたいと思っている妖之佑。ダメモトで「グローバル・ハウス」に行ったところで「こらあかん」となりましたので、ここがスタート地点となります。
 ここに最も近いのがグローバル・コモン2というエリア。
 
 ちなみに、諸外国館は、それぞれの地域ごとに「グローバル・コモン」という六つのエリアにまとめられています。
 グローバル・コモン1はアジア、グローバル・コモン2はアメリカ大陸、グローバル・コモン3と4はヨーロッパ、グローバル・コモン5はアフリカ大陸、そしてグローバル・コモン6がオセアニア(ただし、グローバル・コモン3は欧羅巴と言うよりは「地中海周辺」と言ったほうが近いと思います。チュニジアとかが含まれてますから)。
 
 で、グローバル・コモン2のアメリカ大陸から見学を始めたのですが……アメリカ館とカナダ館は当然長蛇の列なのでパス。
 それからグローバル・コモン1に移動、アジア諸国(韓国館も大行列だった。韓流ブームのせいか?)を観て回る途中で、それでもマンモスと万年時計に未練のある妖之佑、グローバル・ハウス(月の石とかもあるそうですし)に向かい、整理券をゲット♪
 で、時間まで外国館を回っていましたが……実は、落とし穴がありました。
 
 
 説明しましょう。
 グローバル・ハウスは「ブルー・ホール」と「オレンジ・ホール」という左右二つに分かれた構成になっており、左と右とで展示内容がまったく違うばかりか、入館者はブルーならブルー、オレンジならオレンジだけしか観られないのです。どちらも出口では「マンモス・ラボ」に合流するんですけどね。
 もうお判りでしょう。妖之佑の手にしたブルー・ホールの整理券では、田中久重の万年時計も月の石も観ることはできないのですよっ!
 
 で、なーも知らんド阿呆妖之佑は、のほほーんと列に並んで入ってゆき、なーも判らんままにつまらん映像を観せられ、それからでっかなシアターに入れられ、これまた観たくもない映像作品を観せられ、そのまま促されるままに進むと、マンモス……。
 え? 時計は? 月の石は?
 手遅れです。ってか、最初っから間違ってます。
 マンモスの横を通って出口に追い出されましたよ。щ(ToT)ш
 
 ブルー・ホールのSONYによる10m×50mという、ウルトラマンがすっぽり入るほどのバカでかサイズのレーザー・ディスプレイは、たしかに凄いですけどね、技術的に。
 でも、映像作品の内容がつまらんものでは、どーしよーもありません。これ、SONYが自前の技術を自慢するためだけのものですよ。観客を楽しませようってサーヴィス精神がゼロ。
 おかげで、ますますSONYが嫌いになりました。
 
 もう一つ、罠がありまして。
 ブルー・ホールからマンモス・ラボに向かう際、通路が90度右折するのですが。当然、観客はインをつきますからアウト側が空きますよね。すると係員が「奥までつめてくださいっ」と、しつこく言うんです。素直に従おうものなら罠にはまります。
 そう。
 マンモスは通路の右側に展示されているため、係員の言葉に素直に従った善良な観客は、マンモスを間近に見られなくなるのですっ!
 ブルー・ホールに入られたかたは、どうかお気をつけください。また、オレンジ・ホールからのかたも、マンモスのコースでは右側に寄ってください。係員が何を叫ぼうとも、無視しましょう。万年時計を観られなかっただけでなく、マンモスすら遠目に観るハメになった妖之佑の心からのご忠告です。
 
 
 さて。
 けっきょくグローバル・ハウスの整理券を手にしたものの、すべてがヌカ喜びで終わってしまった妖之佑。疲れた体を引きずって、外国館見学コースに戻りました。
 
 にしてもアレですね。
 発展途上国の館は、どこも単なるお土産屋さんになってますね。もちろん、それはそれで楽しいのですが(ブルー・ホールよりは、はるかにいいですっ)。
 
 でも、一日使ってもすべてのグローバル・コモンを回ることはできませんでした。疲れもありますし。
 会場が広いため、とにかく歩かされます。
 効率良く回るためには、やはり予習が必須だと思います。会場内にまともな案内板が見つからないのも気になりました(不備な案内板は、いっぱいありますけど)。フツーのテーマ・パークになら、たいていある「現在位置→」の表示付き会場全体地図が(少なくとも妖之佑には)見つからなかった。正直、不親切さを感じましたね。
 
 実際に回った体験から、ささやかなご忠告を申し上げますと。
 各エリア間を移動するには、地上を歩かないこと。長久手会場内の移動には「グローバル・ループ」と呼ばれる高架を歩くよう、会場そのものがデザインされているのです。で、目的とするエリアのところでスロープを降りる。「そういうふうに歩け」と観客に強いているんですね。ですから地上を移動していたら、いつまで経っても別のエリアには行けません(せめてこういう要点くらいは、でっかく表示しててほしいよなあ)。
 足の弱いかたは、人力タクシー(たぶん電動アシストやね)か、あるいは電気自動車の乗り合いタクシーがありますので、ご利用なさったほうがいいと思います(有料ですが)。話題になった無人コントロールで隊列走行するバスは、例の追突トラブルが解決していないのか、今回、目にすることがありませんでした(単に出会えなかっただけかもしれませんが)。
 あと、北ゲート付近からEXPOドームやグローバル・コモン4に行くなら、「キッコロ・ゴンドラ」がオススメです。このルートは長久手会場を縦断しますから、歩くとかなり遠いのです。会場全体を一望できるのも嬉しいですしね。
 なお、「モリゾー・ゴンドラ」は、長久手会場⇔瀬戸会場を結ぶものです。それぞれ、お乗り間違いのないよう。キッコロ・ゴンドラは日立グループ館の足元から、モリゾー・ゴンドラはトヨタグループ館の裏手からです。
 
 ついでにですが。あくまでも個人的印象では、瀬戸会場には無理してまで行く必要はなさげです。
 いちおう、モリゾー・ゴンドラ以外にも、燃料電池式のバスが両会場間を結んでおり、ゲートを出ることなく移動できますので便利ではあります。どこぞのパビリオンの整理券を手に入れて、さて時間までどうするか? などというときに瀬戸会場まで足を伸ばすのは、一つの選択肢でしょうね。
 
 
 
 けっきょく、トヨタグループ館のロボットも、日立グループ館のヴァーチャルで動物たちと触れ合う体験も、夢みる山の押井守監督による展示も、ちぃとも観られませんでした(根性ないから)。
 口惜しいのでもう一度行くことを、ほぼ決めています。
 なんか意地でも万年時計を観てやらにゃ、気がすみませんの。
 
 これから万博に行こうとお思いのかたは、モロ真夏となりますから、暑さ対策だけはしっかりとなさってくださいまし。行列にせよ、グローバル・ループにせよ、基本的に日除けがありませんから、帽子か日傘は必須アイテムです(ただ、個人的には人混みでの日傘使用は控えていただきたい。危ないっスよ)。
 水分補給については、会場内のいたる所で飲み物が販売されてますから、心配は要りません。ただし、ペットボトルの自販機は頻繁に商品の追加がなされており、運が悪いと充分に冷えていないものを掴まされることはあります(→それは、わしや)。
 食事については判りません。会場内のレストランには入りませんでしたから(暑さで食欲がわかなかった)。かなり混んでいる様子でしたけどね。それでも、諸外国のパビリオンにも、ご当地料理を供する店を出しているところもありますから(カレーやナン系が多かったかな)、どこかでは食べられると思います。スリランカのカレーは食べてみたかったな。
 
 鼻炎をお持ちのかたは、アジアやアフリカの国のパビリオンに入る際にはマスクをなさったほうがいいかもしれません。お香がきつくて、くしゃみが止まらなくなる場合がありますので。
 
 それと。
 乳幼児を同伴するのは絶対にやめてくださいっ。
 それは、親の身勝手からの、子供に対する拷問に他なりません。
 行きたければ、お子さんはご実家か保育施設に預けていってください。
 炎天下、ベビー・カートの中でぐったりしている子供を何人も何人も見せられた妖之佑の率直な気持ちです。
 
 
 
 最後に。簡単にアクセス方法を。
 JR名古屋駅を基点としまして。
 地下鉄東山線の名古屋駅から「藤ヶ丘行き」に乗り、終点・藤ヶ丘駅まで(大人片道290円)。
 そこからリニモにて「万博会場駅」まで(大人片道340円)。
 これで北ゲートに着きます。
 
 これが一番オーソドックスなルートです。
 当然、最も混むコースだと思います。
 
 他には名古屋からシャトル・バスも出ているそうです。
 このシャトル・バスや、あるいはバス・ツアーですと西ゲートから入ることになるようです。
 
 いずれにせよ、前もっての下調べは、公式サイトでなり、個人的に紹介なさっているサイトでなり、充分すぎるほどになさっておくべきだと思います(不充分で泣きを見た奴の言)。
 ガイドブックの類を買っておかれるのも良い方法だと思います。
 はっきり言って、会場内の案内は不親切と言わざるをえませんので。
 そして、しっかり全部観たいとお思いなら、普通のチケットではなく、これからでも「全期間入場券」を買ったほうがけっきょくはお得になります(交通費は仕方ないとしても)。
 
 あと。
 当然ながら、各パビリオンにスタンプが用意されていますので、集めたいかたはスタンプ帳のご用意もお忘れなく。
 
 そうそう。
 公式グッズの販売店ですが。
 北ゲートを入ってすぐ左(会場の中からですと、北ゲートに向かって右)に大きなお店があります。
 が、メッチャ混みます。
 少し小さいですが、実は同じ場所のまんまトイメンにもお店があるので、そっちに入ったほうが楽に買えます(品揃いがどうかまでは確認していませんけど)。
 
ピンズ
 何か記念になるものがないかと探した結果、このピンズにしました。一つに絞れなかったので二個のお求めでございます。
 普通にカラー着色のピンズもあったのですが、このほうが高級感があって気に入ったのです。
 
 
 
 さて。
 妖之佑は今度は、いつ行くかなぁ。夏休み期間中はメッチャ混みそうだし。
 夏休み中の混雑であっても、誰か連れがいると耐久力が増すかもしれませんが。
 
 
 
 蛇足。
 
 リニモの乗り心地ですが。
 モノレールみたいな感触。
 
 混雑のせいで単なる通勤列車のイメージとなってしまい、技術の最先端列車の印象は得られませんでした。あっはっはっ。
 
リニモのチョロQ
 なんとなく口惜しいので、帰路の藤ヶ丘駅で買ったリニモのチョロQです。この他にも「リニもなか」なるお菓子も買ってしまいました。

 
 
 

 
 
庭に出る

 
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