本当なら、「祖霊舎(御霊舎)について」とすべきなのですが。
我が家では神道形式の弔いをしておりません。ですから、祖霊舎もありません。
ただ、神棚は平均点以下程度にはお祀りしています。
聞くところによると、祖霊舎は御先祖様専用の“神棚”と言えるそうなので、なら神棚の話で、それに代えても大丈夫かな。
と。
まあ、ここでの記述は、あくまでも参考程度のことです。
正確には、神社や神具店でお尋ねになるのが一番です。
私の知る範囲での神棚のご説明となります。
まちがっている所があるかもしれません。そのあたりは、ご容赦・ご指摘いただければ助かります。
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榊 立 |
榊 立 |
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神 鏡 |
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瓶 子
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水 玉
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米
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塩
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瓶 子
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燭 台
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燭 台
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上から下へ、ではなく、奥から手前という感じで見てください。
三社宮という宮形に神札を収めた場合です。
中央に伊勢神宮の、左脇(向かって右)に氏神様の、右脇(向かって左)に個人的に崇敬する神社の、それぞれ神札を収めます。
宮形が一社宮の場合は、手前から、伊勢神宮、氏神神社、崇敬神社の順に重ねます。
要するに、
「伊勢神宮 > 氏神神社 > 崇敬神社」
という序列になります。
「上>中>下」や「中央>左>右」ということですね。
より正しくは、中央は皇大神宮(内宮)の神札の後ろに豊受大神宮(外宮)の神札を重ねるそうです。
また、現住所と生誕地が違う人は、氏神神社に加えて産土神神社もお祀りすると、より丁寧だそうです。
榊立には文字通り、榊を生けます。
神鏡は宮形の正面に置きます。
灯りは、本来なら灯明か蝋燭でしょうが。
安全性を考えて、電池式の物でいいと思います。
水玉は水を入れる宝珠のような形をした容器。
米と塩は皿か高坏で供えます。
瓶子は御神酒を入れる器。
これらは三宝や折敷に載せても、棚に直接置いても、TPOに応じて。
棚が狭ければ適度に、あるいはギュウギュウに寄せて。
神棚は、その家の一番高い所に設置するのが原則です。なので二階建てなら二階の部屋の、三階建てなら三階の部屋の、天井近くに据えるのが本来の正しい祀りかた。
とは言え、そうもいかないのが現実で。実際には二階建て家屋の一階の床の間や居間にお祀りするのが多いでしょう。
そこで使うのが、巷でもよく知られている「天」あるいは「雲」の字ですね。これを神棚の上に据えれば、「神棚の上には空しかありません」ということになるのだそうです。
神様が、そんな安っぽい手に引っかかるとも思えませんが、寛大な御心でお許しくださっているのかもしれませんね。
「天」や「雲」と書いた紙を天井に貼るか天井から吊すか、あるいは雲形の板を神棚の上に設置するか。それで良いそうです。
もちろん神具店で揃えるのが理想ですが。
予算の関係で、ホームセンターや百均で集めてもいいと思います。
上記よりもっと丁寧に、ということなら。
鳥居、注連縄、祓串、御簾、神前幕、真榊、灯籠、狛犬(獅子)あるいは狐、神酒口、玉垣、さらには破魔矢立て・破魔矢掛け、などなどの神具がありますし、一般的な燭台でなく篝火の形をした燭台もあります。
宮形も、埃が付きにくい箱形や、三社宮より扉の多い立派なものなど、いろいろあります。
このあたりは予算や住宅環境との相談ですね。
逆に、どこまで省略できるかですが。
神札は、もちろん必須。これが無いなら、そもそも神棚ではない。
米、塩、水、御神酒などの供物も必要。
そして榊も欲しい。
神棚が部屋の高い所に据えるべきものということを考えれば、広いお屋敷ならともかく、こぢんまりした民家の神棚ではそもそも火をまったく使わなかったのではないかと思われます。火災防止の観点で、ですね。
なので、灯り系は省いても許されるでしょう。
神鏡も無いなら無いで大丈夫だと思います。
神札が必須なら、収める宮形も必須。と思いがちですが、実は宮形も省略できます。
神札を収めるのではなく立てるための台が、神社によっては社務所で頒布、つまり公式に取り扱われています。
ということは、宮形は必須ではない、と解釈できますね。
いや、もっと突き詰めて言えば、神札のみという究極のお祀りのしかたもあるのです。
例えば、壁や柱に神札を貼る、あるいは枠に入れてその枠を下げる、など神札のみでお祀りするケースもあります。
神棚を置くまでのスペースは無い。けど神社を崇めたい。という場合は、この方法でもいいと思います。
といったあたりを、「神札」を「霊璽」(佛教の位牌に相当する依代)に読み替えていただければ、祖霊舎の事情として、だいたいよろしいかと。
たぶんですが、宮形は一社宮になると思います。「先祖代々」ですし。
ただ一点、ご注意を。
神社の神様と、御先祖様とでは、当然のこと格が違います。
ですから。祖霊舎は必ず神棚より低く、言い換えるなら神棚を祖霊舎より高く設置する。これだけは守りましょう。
なお、神棚の真下に祖霊舎を置いてかまわないのかどうか、ざっと調べましたが判りませんでした。ただ、そのようにお祀りしておられる実例がネット上にはありました。
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