四十九日法要のこと


 
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 葬儀のときにお世話になったお坊さんが、それ以降の法要のスケジュール表をくださいまして。
 それもあり、四十九日法要も、同じお坊さんにお願いするのは早くから決めていました。
 これも何かのご縁、ということもありますし。
 
 以下、例によって簡単に時系列順に書いていきます。
 
 
 


 
 
 四十九日よりほぼ一ヶ月前に、お坊さんに連絡を取り法要の相談。
 自宅で執り行うことも含め、快諾を得る。
 
 このとき、法要に使う餅を用意するよう教わる。
 
 和菓子屋さんに、「四十九日に使う餅」と宗派とともに伝えて注文。
 
 前日に餅を受け取る。
 
 当日、餅を供えるなど中陰壇を整え、喪服にて、お坊さんの到着を待つ。
 
 お坊さん到着。
 中陰壇のある床の間にお通しする。
 
 準備をするとのことで、床の間をお坊さん一人だけにして待つこと暫し。
 
 法要の開始。
 こちらは指示に従うのみ。
 
 法要後の説法。
 
 御布施などをお渡しする。
 
 お坊さんをお見送り。
 
 
 


 
 
 簡単になぞってみました。
 一つひとつ、少し詳しく触れていきます。
 
 
 
※ 場所
 
 四十九日法要を執り行う会場は主に、葬儀屋の会館などを借りる、お寺で執り行う、自宅を使う、の三択となります。
 葬儀屋の会館であれば、葬儀屋さんとの相談(商談)となりますが、たいていのことはお任せできるので、楽っちゃ楽だと思います。
 お寺での法要は、檀家でもない限りは、やらないと思います。お寺とのお付き合いが本格的になりますし、重たくなるのもあれですし。
 親戚・知人など参列者多数というのであれば、上記の二択となるでしょう。
 ですが、身内で静かにというのなら、自宅の一択ですね。何より、遺骨と遺影を移動しなくてすみます。
 
 自宅で執り行うとして。
 豪邸でもない限り、ネックは狭さと汚さですね(汗)。
 狭いのは仕方ない。とにかく掃除しましょう。
 お坊さんは慣れておられるので、狭くても怒ったりはしません。大丈夫です。きっと。たぶん。
 
 自宅であっても、会場となる中陰壇を設置した部屋と、お坊さんの控え室にする部屋とで、別にできるのが理想ではあります。
 ですが、控え室がなくても問題はありません。その場合、中陰壇のある部屋で、お坊さんは着替えなど準備をなさいます。
 一間のアパートであっても、できたお坊さんなら、問題視などなさらないと思います。
 
 
 
※ 餅
 
 四十九日に餅が必要とは、恥ずかしながら初めて知りました。
 
 この餅、会場によって変わることを、依頼した和菓子屋さんから聞きました。
 曰く、「お寺で法要をすると、お餅はとんでもなく大がかりになる」そうな。
 ちょっと、ぐぐってみましたら、「傘餅」なんてのが出てきて、びっくりしました。あれは凄い。
 逆に自宅でするなら、宗派にもよるけど小さめの餅ですむそうで。助かりました。
 
 餅を供える佛具は、宗派によって高坏だったり供笥だったりします。
 調べて準備しましょう。
 
 
 
※ おもてなし
 
 自宅で地味に、という場合でも、お坊さんはお客様となりますから、本来であれば、おもてなしするのが常識です。
 ですがコロナ禍の今は、お茶の一杯ですら、あちらから固辞なさるのが通例となってしまっています。感染予防策の一つですね。
 淋しいものですが、無理強いも、いけません。
 我が家は、お茶をお出しする代わりに、餅を依頼した和菓子屋さんで求めた御菓子をお持ち帰りいただきました。お車なので、荷物となる心配もありません。
 それで、いいと思います。
 
 
 
※ 御布施など
 
 法要全般に言えることになります。
 
 お坊さんに法要をお願いするにあたり、お寺への御布施が必要です。
 いえ、買い物における支払いみたく法的義務ではありませんが、でも当然すべきことです。
 
 葬儀での御布施は、水引の付いた不祝儀袋に厳重に現金を入れましたが。
 通常の法要では、現金を包むのは普通の白封筒。百均のでOK。「御布施」と印刷されていれば簡単ですが、無地なら黒の筆ペンで書きましょう。
 なお、通夜や葬儀に参列者が持参する香典などと違い、お坊さんにお渡しするものに薄墨は使いません。濃い黒で書きます。
 もう一つ注意点として。白でも郵便用の封筒は使わないこと。郵便番号の枠が邪魔になるのです。
 
 封筒には、こんな感じで記入します。
 
 

 



 
 
 
 



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  金
  *
  萬
  圓
 
 

 
 御布施に金額を明記するのは野暮かもしれません。
 が、お寺の経理担当者によっては、金額を書いておいたほうが喜ばれる場合もあるので、いちおう我が家では書きました。
 同様の経理事務的理由で、特に大きなお寺のときは、裏に金額だけでなく住所もきっちり記入したほうがいいようです。
 表書きも、名字だけでなく喪主のフルネームが良いという意見もあります。
 いろいろ考えて、めいめいの状況に合わせてお決めになるのがよろしいかと。
 
 なお、金額を書くときは旧字体・異字体を使います。「一」→「壱」、「十」→「拾」みたく。
 また、金額の頭に「金」を、最後に「圓」か「圓也」と書きます。
 

 

 

 

 

 

 ともに小切手などと同じく、誤読や改竄が起こらないようにするためだと思われますが、今はほぼ慣習なのでしょうね。
 金額の相場は、お調べください。宗派や地域によって違うでしょうし。
 
 御布施の他に、お坊さんには御膳料と御車代もお渡しします。
 御膳料は、法要後の会食を開かない、あるいはお坊さんが辞退されたとき。
 御車代は、お寺で法要を執り行わない、つまり会場までお坊さんにお運びいただいたとき。
 会食の仕出し弁当をお持ち帰りいただくとか、タクシーをこちらで手配したとかなら、それぞれお金をお渡しする必要はありません。
 御布施とは別の封筒でお渡しします。
 無地の白封筒に、「御膳料」や「御車代」と書きます。一緒にせず別々の封筒が望ましいようです。
 表書きの名前や裏書きの金額は不要だと、個人的には思います。言ってみれば、御礼とは別枠の必要経費みたいなものですから。
 金額の相場は、地域ごとに違いもあるので、お調べください。食事代、タクシー代と言われても、難しいですよね。
 
 封筒に封をするかしないかは、実は議論になっているらしく。
 受け取る側でも、どちらが良いか意見が分かれているという話まで。
 さあ、困りました。
 ですので、我が家では、両面テープを短めに切って封に使いました。
 自然には開かないし、開けるときは指が容易に入る、という理由です。
 ただ、気持ち的には、きっちりガッツリ封印したいですね。
 
 お坊さんにお渡しする際には、封筒をお盆に、できれば切手盆(祝儀盆)に載せてお出しするのが正式だそうです。御布施を一番上にして御膳料などと一緒に重ねます。
 お盆が無ければ無いでもいいんじゃね? と個人的には思いますが、プラ製ならお高くないので、用意しておいて損はないかと。
 屋外など、こちらが出向いた先での法要の場合は、御布施を包んでいた袱紗をお盆代わりにします。
 
 
 
※ 焼香盆
 
 お盆の話題が続きます。
 
 法要に先立って、お坊さんに必需品を教えていただいていたのですが、一つ盲点がありまして。
 法要の中、遺族が焼香するには香炉などの焼香セットを遺族の間で廻します。そのために、お盆が必要だったのですが、これを知らずにバタバタしてしまいました(汗)。
 
 普通のお盆でかまわないと、お坊さんはおっしゃってくださいましたが。
 これも専用の焼香盆が売られているので、ご予算に応じた物を佛具の一つとして用意しておいても、よろしいかと思います。