その20・銃器の扱い2


 
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 神奈川県に住む人たちは、どんな気持ちなのだろうか……?
 
 
“法の番人”たる警察官が、取調べ中の容疑者を射殺するなんて。
 
 一つに、警察官には処罰権限はない、ということ。
 一つに、容疑者はすなわち“疑いがある”というだけで、推定無罪なのだということ。
 
 こういった当たり前のことを、いい歳をした巡査部長は理解できていなかったようだ。
 
 判決では「誤射」という言葉を使っているようだが、実は「誤」などという甘い状況ではなかったと思われる。
 
 なぜなら。
 銃器で人を殺めるためには、複数の条件が揃わなければならないからだ。
 
1:銃器に実弾が装填されている。
2:銃器の撃発装置(主に引き金)に指がかかっている。
3:銃口が相手に向けられている。
4:引き金にかかった指に必要な力(銃にもよるがダブル・アクションの場合で5〜10kgほどか)がこめられる。
 
 これだけの条件のどれか一つでも欠けた場合、その銃器は人を殺めたり傷つけたりすることはできないのである。
 
 つまり判決によるならば。
 当該の巡査部長は、実弾の入った銃器を容疑者に向けて引き金に指をかけて引き絞ったことになる。
 これが「誤」と言えるのだろうか。
 
 しかも組織ぐるみで隠蔽工作をしたとなれば。
 もはや神奈川県警に“正義”を求めることは金輪際不可能であると断言できるのではないだろうか。
 個人的な意見を言わせてもらえば、神奈川県警そのものを一度リセットする必要があると思う。あそこの警察官全員お役御免にして総入れ替えでもしなければ、恐ろしくて生活できないような気がするのだ。
 
 もちろん今日の判決は民事のものであり、また、確定でもない。
 だが、裁判所がこのような衝撃的な結論に至ったという事実は決して軽視できない。
 
 これから先に行われるであろう控訴審において、原告、原告側弁護士、そして裁判官のかたがたの身が安全であればいいと、心底思う。
 冗談でなく、神奈川県警が裏でどう動くかを考えると恐怖そのものなのである。
 
 
 で、事件について門前払いをかました検察は、あらためて刑事事件として扱うつもりはあるのだろうか。
 ってか、動かないと、いよいよ県民の信用を(すでに限りなく氷点下に近いとはいえ)失うぞ。
 
 
 
 
2002.11.22.の日記より

 
 
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