その18・鞍馬詣り


 
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 実は先日、お出かけしてきた。
 洛北の地、鞍馬に。
 
 
 これで五度目。
 
 
 だが、何度行っても、いい。
 本当に、いい。
 
 どうやら妖之佑の中では、「京都に行こう」というよりも、「鞍馬に行こう」というのが確立されているらしい。
 
 
 そして、五度目ともなると、懐かしい気持ちにすらなってくる。
 山はいいねー(しみじみ)。
 
 
 街中を出発する叡山電車。
 それがたった30分で山の中なのだ。
 この叡山電車のゴトゴト感が、またいい。いかにも「でんしゃ」なのだ。
 まあ「EIDEN」という愛称には、あえて何も申さぬが……。
 ともかく、車窓からの景色に、まずは酔いしれ、ご機嫌。
 
 
 んが。
 山門からは問題噴出である。
 
 去年の春に比べ、またまた体力が落ちてしまっている。
 いや〜、息の切れるのが早い早い。この一ヶ月の内にまた一つ、歳も取ったしねー。
 ほんま、情けないわ。
 
 にしてもね、石段は疲れるよ。土のほうがぜったい疲れないよ。
 だって、石段だと自分の歩幅で歩けないんだもん。これでかなり余計な体力を削られるのだ。
 
 石段と言えば。
 昨年訪れたときは、本殿の修繕のため、拝殿がかなわなかったのだが。
 今回は、本殿から奥の院までの山道で、石段の設置工事をしていた。参拝・ハイキング客の便宜を図ってのことだろうが、これではますます妖之佑は疲れてしまう。まいった。
 この工事のおかげで、せっかくの鞍馬の山が機械音で騒々しく、また、息切れの肺に自家発電機の排気ガスが入ってくるので、苦しくってならなかった。勘弁してよー。
 
 
 
 発見なのは、こーゆー出先での文章書きが、案外はかどるということ。
 新幹線の中でも多少書いたが、つづら折りでバテたこともあって、境内のベンチとかで休憩がてら、カシオペアちゃんのキーを叩いていたのだ。これがけっこう進む。
 まあ、風もさわやかで、心地良かったこともあるしねー♪ ミンミンゼミとツクツクホウシも鳴いてたし♪
 いや、風流風流。
 
 こーゆー環境で日がな一日、のんびり執筆というのは、きっと気分いいだろーねー。
 ついでに、あそこの霊宝殿(鞍馬寺の宝物館)のお向かいにある冬柏亭(與謝野晶子氏の書斎)。もしあそこに居られたら、そりゃ、いいと思う♪
 あーゆー庵、欲しいんだわ。
 
 
 そうだ!
 
 なるべく朝早くに出発して、なるべく早く本殿に到達して、そこで夕方まで、のぉんびりと執筆。
 んーでもって、その日は鞍馬温泉とかに宿泊ってのも、こりゃ、かなりぜーたくかも。
 
 でサ、でサ。
 独りじゃなくってー、素敵な人と二人連れなーんてったら、もー最高だよねー♪♪♪♪
 あーっ、いやーん、恥ずいぃーっ!!
 
 
 ……………………。
 
 
 だから、まだまだ修行が足りぬのだよ、妖之佑は。
 こんなザマでは、来世、天狗道に転生などできぬぞ。
 
 
 
 ちなみに。
 いつものことだが。
 帰りには、とち餅と木の芽煮を忘れずに買い求め、帰宅後に美味しくいただきました。
 
 
 
 また、行こう。
 
 できれば今度は二人連れで。(← をいっ!)
 
 
 
 
2002.09.27.の日記より

 
 
庭に出る

 
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