その15・プリンへの熱き想ひ


 
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 かような意見が、ちまたに出回っておると聞く。
 
 
 市販のプリンは器に入ったまま味わえばよいのだから、カラメル・ソースは底ではなく、上に入れておくべきである、と。
 
 なにやら、世の人々は、プリンを器から皿に出さずに、下品にも、そのままさじを突っ込んで食するらしいのう。
 
 
 これを知った麿は、危惧しておるのじゃ。
 
 
 考えてもみてたも。
 
 プリンの魅力とはなんぞ?
 
 あの甘い味わい、口の中をくすぐりおる微妙な舌触りもさることながら、皿の上にて、あたかも恥じらうかのごとくにふるふると舞う、あの愛らしい姿を愛でるのが、プリンを味わうにおいての、楽しみではないのか。
 
 充分にプリンの舞いを堪能したのち、さじをあてがう。
 すると、またもや恥じらいの仕草を見せ、揺れる愛しきプリン。
 
 健気な抵抗に、ささやかな痛みと官能を感じつつも、さじにてすくう。
 そして口に運ぶ。
 
 この、物語のごとくに一つにつながったすべての行為こそが、プリンを味わう醍醐味と言えよう。
 
 
 直接、器にさじなど突っ込んでは、この風流を楽しむことなぞできぬ。
 
 そちらは、なぜにそれが判らぬのじゃ。
 
 
 麿は、これからも、プリンは皿に取り出してのちに味わうことを続けるものぞ。
 
 そちらも、麿にならってたも。
 
 
 
 
 
 
 以上。
 一プリン愛好家のささやかな意見でした。
 
 どなたかの口調に微妙に似ているのは、どーぞ、お気になさらず。
 m(_ _)m
 
 
 
 
2002.04.22.の日記より



 
 
「ぼくはクリーミープリンのほうが好きだなぁ」
 
「……クリーミー、とな?」
 
「そうそう。普通のプリンよりも、もっととろりとしてるんだよ」
 
「むむ。とろり、か。ぷるり、ではないのか?」
 
「うん、とろとろしてる。お皿にはだせないくらいだよ」
 
「認めぬっ麿はそれをプリンと認めぬぞっ!!」
 
 
 
 以上、最近はクリーミーなプリンがお気に入りの満月がお送りいたしました(礼)。
 
 
 
2002.04.21.の笑う満月さんの書き込みより

 
 
 妖之佑の日記を受けて、笑う満月さんが書き込みをしてくださいました。
 日付が前後しているのは、妖之佑が必ずしも日付どおりに日記を記さないという、悪癖のせいに他なりません。

 
 
庭に出る

 
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