かような意見が、ちまたに出回っておると聞く。
市販のプリンは器に入ったまま味わえばよいのだから、カラメル・ソースは底ではなく、上に入れておくべきである、と。
なにやら、世の人々は、プリンを器から皿に出さずに、下品にも、そのままさじを突っ込んで食するらしいのう。
これを知った麿は、危惧しておるのじゃ。
考えてもみてたも。
プリンの魅力とはなんぞ?
あの甘い味わい、口の中をくすぐりおる微妙な舌触りもさることながら、皿の上にて、あたかも恥じらうかのごとくにふるふると舞う、あの愛らしい姿を愛でるのが、プリンを味わうにおいての、楽しみではないのか。
充分にプリンの舞いを堪能したのち、さじをあてがう。
すると、またもや恥じらいの仕草を見せ、揺れる愛しきプリン。
健気な抵抗に、ささやかな痛みと官能を感じつつも、さじにてすくう。
そして口に運ぶ。
この、物語のごとくに一つにつながったすべての行為こそが、プリンを味わう醍醐味と言えよう。
直接、器にさじなど突っ込んでは、この風流を楽しむことなぞできぬ。
そちらは、なぜにそれが判らぬのじゃ。
麿は、これからも、プリンは皿に取り出してのちに味わうことを続けるものぞ。
そちらも、麿にならってたも。
以上。
一プリン愛好家のささやかな意見でした。
どなたかの口調に微妙に似ているのは、どーぞ、お気になさらず。
m(_ _)m
2002.04.22.の日記より
「ぼくはクリーミープリンのほうが好きだなぁ」
「……クリーミー、とな?」
「そうそう。普通のプリンよりも、もっととろりとしてるんだよ」
「むむ。とろり、か。ぷるり、ではないのか?」
「うん、とろとろしてる。お皿にはだせないくらいだよ」
「認めぬっ麿はそれをプリンと認めぬぞっ!!」
以上、最近はクリーミーなプリンがお気に入りの満月がお送りいたしました(礼)。
2002.04.21.の笑う満月さんの書き込みより
妖之佑の日記を受けて、笑う満月さんが書き込みをしてくださいました。
日付が前後しているのは、妖之佑が必ずしも日付どおりに日記を記さないという、悪癖のせいに他なりません。