その11・きっとあるあの惑星


 
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 松本零士氏の『銀河鉄道999』。
 
 おそらくご存じのことと思うが。
 
 
 この中に『ミーくんの命の館』というエピソードがある。
 
 
 
「ミーくん」というのは、松本氏の愛猫(氏の言葉では「大親友」)の名前。
 
 氏のミーくんへの愛情は相当なものだったようだ。
 ミーくんを主人公にした作品もあるほどなのだ。
 
 
 だから、ミーくんと「お別れ」したときの氏の心情は、それは大変なものだっただろうと思う。
『ガン・フロンティア』という作品中に、氏ご自身が登場し、ミーくんとの「お別れ」について触れられているぐらいだから……。
 
 
 
 で、この『ミーくんの命の館』という999号の停車駅だが。
 
 
 飼い主と「お別れ」した動物たちが集う惑星なのだ。
 その動物たちが心安らかに過ごせるように、穏やかで暖かな星。
 
 だけど、悲しい星。
 
 夜になると、動物たちは皆、飼い主を思い出して鳴く。
 
 
 が、それでも動物たちは決して不幸じゃない。
 飼い主が時々自分のことを思い出してくれる。それが彼らには、とっても嬉しい。
 
 そして動物たちは、この「ミーくんの命の館」で、みんな仲良く、ずっとずっと幸せに暮らしていくのだろう。
 
 
 鉄郎が涙して言う。
「こんな星があると思えばネコや犬と死に別れてもいくらか心がやすまるよなあ」
 
 メーテルは言う。
「「ミーくんの命の館」は一説によると飼っていた動物と死に別れた子供たちの心の中にある星だともいわれているわ
 だからとても悲しく見える星なんだって……」
 
 
 
 たとえ心の中にある星だとしても、私はこの『ミーくんの命の館』のエピソードによって、当時、救われたクチだ。
 だから信じている。「ミーくんの命の館」が宇宙のどこかにきっと存在すると。
 
 みんな、そこで楽しく暮らしているにちがいないのだから。
 
 
 
 
(鉄郎とメーテルの台詞部分は、少年画報社刊『銀河鉄道999』第7巻より引用させていただきました)
 
 
 
 
2002.01.27.の日記より

 
 
庭に出る

 
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