アニメ版第二期の原作について


 
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 アニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』における最初のターニング・ポイントは第二期である。
 これは私のみならず、多くのかたがたがお考えのことと思います。
 原作『ゲゲゲの鬼太郎』のエピソードをアニメ化した第一期に対して、第二期は全四十五話中の二十三話、実に過半数で『鬼太郎』以外の作品からエピソードを採用しています。
 そして第三期以降も、そのストーリを継承している。鬼太郎アニメの基礎を作ったのは第一期でなく第二期だと言っても過言ではありません。
「第二期にはトラウマ話が多かった」という巷の感想も至極、当然のことだと思います。原作『ゲゲゲの鬼太郎』には無い、容赦なく厳しい結末を突きつけてきましたからね。
 
 これらの作品群の中、『サラリーマン死神』は全話が、ちくま文庫『死神の招待状』に収録されています。
 他の短編群はトクマコミックス『ゲゲゲの素』が、かなり網羅しています。
 ですが、『ゲゲゲの素』は現在、古本でしか入手できません。
 それに、第二期でも重要な「アンコールワットの亡霊」および「イースター島奇談」それぞれの原作が、現行では『水木しげる漫画大全集』にしか収録されていません。ですので、今からこれらの作品群をというかたは、私のように迷走せず、素直に『水木しげる漫画大全集』でお読みになるのが一番だと思います。
 
 


 
 アニメ第二期のサブタイトルに、原作タイトルを併せて一覧にしました。
 また、原作の収録本を( )に記しました。
 雑感も添えておきます。
 
 
 
※ 第6話「死人つき」
 
 『魍魎の巻 死人つき』
 (『妖怪ワンダーランド 妖怪たちの物語』、『ゲゲゲの素』)
 
 これはアニメでムチャクチャなトラウマだった。通夜というのは恐ろしいと、誤った情報を植え付けられたからね。
 劇中の「八角円」という結界は、実際には家相や方角を診るための方位吉凶図。風水師も持ってるヤツ。
 
 
※ 第7話「猫又」
 
 『世界怪奇シリーズ』第五話「猫又の恋」
 (『水木サンの猫』、『ゲゲゲの素』)
 
 元ネタは、水木翁ご自身による妖怪解説本の旧鼠の項目にて語られる、飼い猫の恩返し談ではないかと。
 この物語に関連する猫塚や鼠塚の話は全国にあると聞く。これと、犬の「しっぺい太郎(早太郎)」とを合わせて創作されたのではないかと思われる。
 
 
※ 第8話「マンモスフラワー」
 
 『マンモスフラワー』
 (『妖怪ワンダーランド ねずみ男の冒険』)
 
『ウルトラQ』より先だな。さすが水木翁!
 
 
※ 第10話「アンコールワットの亡霊」
 
 『世界怪奇シリーズ』第二話「アンコールワットの女」
 (『水木しげる漫画大全集 069』)
 
 これのおかげで、アンコールワットを素直に遺跡と思えなくなってしまったのだ……。
 それどころか、あそこに行けば幽霊を見られると勘違いまで……。
 
 
※ 第12話「やまたのおろち」
 
 『やまたのおろち』
 (『妖怪ワンダーランド 妖怪たちの物語』)
 
 八岐大蛇と呼子の関係は未だに納得いかない(笑)。
 
 
※ 第14話「怪自動車」
 
 『妖怪自動車』
 (『ゲゲゲの素』)
 
 妖怪がメカに化けるというのは画期的。
 
 
※ 第16話「南からの招き」
 
 『世界怪奇シリーズ』第六話「南からの招き」
 (『妖怪ワンダーランド まぼろし旅行記』、『水木しげる漫画大全集 069』)
 
 水木翁の自伝を読んでからあらためてこれを読むと、水木サンの南方への憧れがよく判る気がする。
 アニメのラストシーンが印象的だった。
 
 
※ 第17話「縁切り虫」
 
 『縁切り虫』
 (『ゲゲゲの素』)
 
 まさに寓話。
 
 
※ 第18話「幸福という名の怪物」
 
 『幸福という名の怪物』
 (『妖怪ワンダーランド ねずみ男の冒険』、『ゲゲゲの素』)
 
 まさに寓話。その2♪
 
 
※ 第21話「心配屋」
 
 『心配屋』
 (『妖怪ワンダーランド ねずみ男の冒険』、『ゲゲゲの素』)
 
 鬼太郎の知らないところで、ねずみ男はこんな商売してるんだなぁ。
 と納得してしまう。
 
 
※ 第22話「地獄の水」
 
 『地獄の水』
 (『水木しげる漫画大全集 058』)
 
 未読。
 
 
※ 第34話「死神とサトリ」
 
 『サラリーマン死神』第五話「ねたみ」
 (『妖怪ワンダーランド 死神の招待状』、『水木しげる漫画大全集 069』)
 
 アニメ第二期における死神がセミ・レギュラーだったのは、このシリーズを原作として採用していたからだと、ようやく知る。
 
 
※ 第35話「イースター島奇談」
 
 『世界怪奇シリーズ』第三話「イースター島奇談」
 (『水木しげる漫画大全集 069』)
 
 アンコールワットと同じか、それ以上に怖かった。
 
 
※ 第36話「妖怪屋敷」
 
 『妖怪屋敷』
 (『妖怪ワンダーランド のんのんばあ物語』、『ゲゲゲの素』)
 
 これも本当に怖かった。
 影女のことを「妖怪でも女っ気があるほうが華やかだ」と笑った昔のお侍は何と豪胆なことか。
 
 
※ 第37話「地相眼」
 
 『地相眼』
 (『ゲゲゲの素』)
 
 アニメ第二期で最も空しかったエピソード。
 人間の強欲さには救いなどない。
 
 
※ 第38話「隠れ里の死神」
 
 『サラリーマン死神』第四話「蒸発」
 (『妖怪ワンダーランド 死神の招待状』、『水木しげる漫画大全集 069』)
 
 死神の純愛……かな?
 
 
※ 第39話「妖怪水車」
 
 『妖怪水車』
 (『妖怪ワンダーランド 妖怪たちの物語』)
 
 見事なドラマだなぁ。
 
 
※ 第40話「原始さん」
 
 『原始さん』
 (『妖怪ワンダーランド 幻想世界への旅』、『ゲゲゲの素』)
 
 発達した文明が人を幸せにするとは限らない。
 これも水木サンが南方で学んだことかもしれない。
 
 
※ 第41話「霊形手術」
 
 『霊形手術』
 (『ゲゲゲの素』)
 
 アニメでは、ずんべら(のっぺらぼう)の話と融合させてた。
 ためにテイストが原作からかなり変わってしまった。
 
 
※ 第42話「死神と貧乏神」
 
 『サラリーマン死神』第二話「枯れ葉」
 (『妖怪ワンダーランド 死神の招待状』、『水木しげる漫画大全集 069』)
 
 これの重要アイテム「ゆりかごから墓場まで」は水木サンが相当お気に入りなのか、『惡魔くん』や『大ボラ鬼太郎』にも出てくる。
 
 
※ 第43話「足跡の怪」
 
 『足跡の怪』
 (『妖怪ワンダーランド 妖怪たちの物語』、『ゲゲゲの素』)
 
 第二期の中、ダントツのトラウマ話。
 
 
※ 第44話「雨神ユムチャック」
 
 『世界怪奇シリーズ』第八話「雨神ユムチャック」
 (『水木しげる漫画大全集 069』)
 
 教訓譚かな。
 
 
※ 第45話「死神のノルマ」
 
 『サラリーマン死神』第三話「涙のノルマ」
 (『妖怪ワンダーランド 死神の招待状』、『水木しげる漫画大全集 069』)
 
 世知辛い。
 あの世もこれでは本当に世知辛い。
 
 
 
 『妖怪ワンダーランド』は、ちくま文庫
 『水木サンの猫』は講談社漫画文庫
 『ゲゲゲの素』はトクマコミックス
 『水木しげる漫画大全集』は講談社
 
 


 
 参考資料:
    トクマコミックス『ゲゲゲの素』
       巻末「アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第2シリーズの原作
 
 
 
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