名號など


 
 
※ 七字名号
 
 南無なむ釋迦しゃか牟尼むにぶつ

「お釈迦様を全面的に信じます」という意味の言葉です。
 ならば佛教の基本と思えるのですが、実は巷ではさほど有名ではありません。
 臨済宗や曹洞宗といった禅寺でよく唱えられるそうです。
 これといって魔除け的な効果は無いと思われます。

 
※ 六字名号
 
 南無なむ阿彌陀あみだぶつ

 いわゆる念仏です。仏教に興味の無い人でも日本人なら耳にしたことがあるという点で、お題目とで双璧をなす有名な言葉ですね。
 意味は「阿弥陀様を全面的に信じます」というもので、阿弥陀信仰、浄土信仰で唱えられます。
 要するに「死んだら極楽に行けますように」と願う言葉ですから、例えば旅客機に乗っていて乱気流に巻き込まれたときに唱えても、助かりはしません。むしろ、あの世にソッコーで迷わず逝けることでしょう(苦笑)。
 同じ意味で、悪い妖怪などに襲われたときにも、妖怪退散の効果は期待できません。
 庶民に浸透しているためか、「なもあみだ」だの「なんまんだぶ」だの「なんまんだー」だのと読みかたがいろいろあって面白いです。

 
※ 十字名号
 
 帰命きみょう尽十方じんじっぽう無碍むげ光如來こうにょらい

 尽十方無碍光如来とは阿弥陀如来のことで、つまりは六字名号と同じ意味です。どちらが上でどちらが下とかいう話ではなく、両方とも大切な言葉だそうです。
 なので、一般的には六字名号を本尊にするところを十字名号が本尊でも、まったく無問題らしいですね。
 浄土真宗(お東)の仏壇では、これを左脇侍にします。

 
※ 九字名号
 
 南無不可思議なむふかしぎ光如來こうにょらい

 不可思議光如来とは阿弥陀如来のことで以下同文。
 つまるところは、十字名号と同様です。
 浄土真宗(お東)の仏壇では、これを右脇侍にします。

 
※ 八字名号
 
 南無不可思議なむふかしぎ光佛こうぶつ

 九字名号と、まったく同じです。
 肩書き表記が如来か仏かの違いだけ。
 佛具屋さんなどでは、見かけないと思います。

 
※ 七字題目
 
 南無なむ妙法みょうほう蓮華れんげきょう

 いわゆる題目。
 人や文献によっては、最強の魔除け呪文とも。
 真面目な話としては、大乗仏教のほぼ根本経典である『妙法蓮華経』の教えを全面的に信じる、という宣言です。
 日蓮聖人が本尊として書いた大曼荼羅の中心に、この題目が書かれてますね。
 ただし、日蓮宗系の専門用語とするのは、まちがいです。
 天台宗も法華経を根本経典としていますし、かの聖徳太子も法華経を重要視していたそうです。

 
※ 五字真言
 
 阿卑羅あびら吽欠うんけん

 大日如来の真言から主要パーツだけを唱える、ということのようです。
 言ってみれば略式ですね。
 
 
※ 大通智勝名号
 
 南無なむ大通智勝だいつうちしょうぶつ

 大通智勝仏は、釈迦の過去世における父親だそうです。

 
※ 観音名号
 
 南無なむ觀世音かんぜおん菩薩ぼさつ

「観音様を全面的に信じます」という言葉です。
 隠元禅師の書が有名だそうな。

 
※ 六字大明咒(六字真言)
 
 おん嘛呢叭咪まにぺめふん
 
 おん嘛呢まにぺどふん

「南無觀世音菩薩」と同じ意味です。

 
※ 六字陀羅尼
 
 あん婆計陀那摩ばけだなま
 
 うん縛鶏淡納莫ばけだなま

 文殊菩薩の陀羅尼だそうです。
 
 
※ 弘法名号
 
 南無なむ大師だいし遍照へんじょう金剛こんごう

 遍照金剛とは弘法大師空海のことです。
 巡礼に欠かせない言葉で、お遍路は、これを唱えつつ歩き続けます。

 
※ 
 
 南無なむ八幡大はちまんだい菩薩ぼさつ

 必勝祈願で有名な呪文。
 八幡大菩薩は八幡神のことで、源氏が信仰したことから武運の神となりました。
『平家物語』の「扇の的」に、この言葉が出てきますね。
 八幡神は神仏習合によって応神天皇と同一視され、故に全国の八幡神社が祀る主祭神は応神天皇(誉田別命、品陀和気命)です。

 
※ 
 
 弓矢ゆみや八幡はちまん

 弓矢の神としての八幡神に祈る場合は、こちらを唱えるようです。

 
※ 
 
 南無なむ三寶さんぽう

「三宝」とは「仏、法、僧」のこと。
 なので「三宝に帰依する」ということは仏教の基本事項なので、この言葉も基本的なものに過ぎないのですが。
 なぜか呪文になってしまってますね。
 略して「なむさん!」あるいは「なむさんだー♪」

 
※ 
 
 六根ろっこん清淨しょうじょう

 山登り定番の掛け声ですね。
「六根」とは般若心経でも触れられている「眼、耳、鼻、舌、身、意」のことです。入山に際して自身を清めるという意味でしょうか。
 元は法華経からの言葉だそうで、それが修験道に取り入れられたということのようです。

 

 
 
 


 
 
 
 とにかく咄嗟に唱えられるものを、ということで。
 短いもの特集です。
 御守り代わりに憶えるには、これくらい短くありませんと。
 
 真言や陀羅尼でも極端に短いものは、ここに載せました。

 
 
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